「時が解決してくれる」なんて、嘘でした。
彼女が出ていってから、正直半年以上、僕は立ち直れませんでした。 ふとした瞬間に彼女のことを思い出し、仕事中にもかかわらず涙がこみ上げてくる。そんな毎日。
思考を停止させないと、心が壊れてしまいそうでした。 だから僕は、食に逃げました。
自堕落で、退廃的な日々。 深夜のコンビニラーメン、ファミチキ、スナック菓子。 胃袋に物を詰め込んでいる間だけは、寂しさを忘れられたんです。
気づけばキッチンには、コンビニ飯のゴミが山のように積み上がっていました。
体重計は嘘をつかない
秋口のことです。 ふと、久しぶりに体重計に乗ってみようと思いました。 いや、本当は心のどこかで分かっていたんです。「とてつもなく太っているだろうな」と。
表示された数字に、僕は目を疑いました。

98.0kg
「嘘だろ……?」
彼女が出ていった頃は、小太りとはいえ85kgくらいだったはずです。 それがたった半年で、プラス13kg。 自分の「太る才能」に、正直驚愕しました。
そして、恐怖が襲ってきました。 このままいけば、体重は指数関数的に増えていく。 100kgの大台なんて、きっとすぐそこだ。 一度そこを超えてしまったら、もう二度と「普通の体型」には戻れないんじゃないか……。
鏡の中の「醜いおじさん」
恐る恐る、鏡の前に立ちました。 そこには、当然のように100kg弱のデブなおじさんが立っていました。
ただ太っているだけじゃない。 半年間の不摂生と、悲しみに暮れた時間のせいで、肌は荒れ、表情は死に、実年齢よりも遥かに老け込んだ顔がそこにありました。
「一体、誰がこの人と生きていきたいと思うだろう?」
客観的にそう思いました。 今の自分には、清潔感も、自信も、魅力の欠片もない。
人生最後のチャンス
僕は昭和生まれ。アラフォーです。 もし、これから新しいパートナーを見つけて、結婚やその先の人生を考えるなら、年齢的にも今が「最後のチャンス」かもしれない。
それなのに、今の自分はなんだ? この醜い姿のまま、その最後のチャンスをみすみす逃すのか?
「やばい。このままじゃ終わる」
その危機感が、半年間止まっていた僕の時間を無理やり動かしました。
恋愛市場において、自分の価値は今、限りなくゼロに近い。 なら、高めるしかない。 まずは痩せよう。 あの頃の自分より、もっといい男になってやろう。
98kgのデブオジサン。 それが、僕の「自分磨き」のスタートラインでした。



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