1ヶ月。 他の男を好きになった彼女と、同じ屋根の下で過ごした時間は、まさに「地獄」でした。
絶望のホーキンスのあと、数日したら彼女は帰ってきました。しかし、彼女は自分の部屋に閉じこもり、僕が話し合おうとしても、言葉は壁に跳ね返ってくるだけ。そんな狂気のような日々に、ある日、唐突な終止符が打たれました。
「明日、家にいないでくれ」
彼女からそう言われたとき、最初は意味がわからなかったんです。 「明日は仕事だからいないよ。どういうこと?」
彼女の沈黙。 数秒後、ようやく理解しました。あぁ、彼女は僕のいない間に、この家を完全に去るつもりなんだ、と。
諦めにも似た気持ちで、僕は「何か、手伝おうか?」と声をかけました。 でも、返ってきたのは「余計なことしないで!!!」という鋭い拒絶でした。 僕の優しさは、もう彼女にとっては邪魔なものでしかなくなっていました。
ガランドウの部屋に残った「空白」

翌日、仕事から帰ってきて部屋の明かりをつけたとき。 「ああ、やっぱりいなくなったんだな、とうとう……」
彼女の部屋はベッドもなくなり、文字通りのガランドウ。 いつか訪れるだろうと思っていた未来が、ついに現実として突きつけられた瞬間でした。
リビングに戻り、どかっとソファに座って、深いため息を吐きました。 そのときです。
「……あれ?」
部屋の違和感に気づきました。 「彼女のもの」だけでなく、「二人のもの」だと思っていたものがなくなっていたんです。
それは、ダイキンの空気清浄機でした。
「二人のもの」は「彼女のもの」だった
彼女は乾燥に弱く、よく咳をしていました。 少しでも症状が改善されればいい。そう思って、自分の小遣いを削って奮発して買った、高い買い物でした。
「彼女のために」買ったけれど、同時に重度の花粉症である僕の「救い」でもあったはずの、二人のための家電。 でも、彼女はそれを当たり前のように自分の荷物として持ち去っていました。
僕の優しさも、二人で過ごした時間も、彼女にとっては「自分を便利にする道具」の一つでしかなかったのかもしれません。
呼吸すら許されない夜
気づいたからでしょうか。それとも病は気から、というやつでしょうか。 その瞬間に思い出したかのように、猛烈なくしゃみと鼻水が止まらなくなりました。
季節は3月。 彼女という支柱を失い、さらに「呼吸」という安らぎまで奪われた部屋。 真っ暗な中、ティッシュの山を作りながら、朝まで一秒も眠ることができませんでした。
悲しくて涙が出ているのか。 それとも、花粉のせいで涙が出ているのか。 自分でももう、分からなくなっていました。
当時の僕へ、今の僕から
今の僕なら、あの夜の僕にこう言ってあげられます。
「その関係は、もう修復不可能だから、すがらない方がいいよ。 今は地獄かもしれない。でも、そのつらい時期を耐えた結果、幸せは必ず訪れるから」
人としての尊厳も、綺麗な空気も奪われたあの日。 そこが僕の、本当の「どん底」でした。
(第3記事:決意とダイエット開始に続く)



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